monsieur/madame(ムッシュ/マダム)
~ ・・さん ~
「ムッシュ」、「マダム」といえば、あまりにも有名なので、今さら言うまでもないかもしれませんが、要するに英語の「ミスター」、「ミスィズ」にあたる敬称です。日本語に直すと「~さん」となりますが、日本語の慣用として「~さん」という言葉は、かなり親しい間柄でも使うのに対し、「ムッシュ」、「マダム」はもう少し堅苦しいイメージの言葉です。もちろん初対面の間柄では、取りあえず「ムッシュ」、「マダム」を用いるのが無難でしょう。なお、「monsieur」は「ムッスュ」という感じで発音すると、それらしく聞こえます。
それと「マダム」は、一応既婚女性に対して使う敬称ということになってますので、若い娘さんには「mademoisellle(マドモワゼル)」を使って下さい。じゃあ離婚した場合とか、結婚しない人生を選んだらどうなるのかというと、これもやはり「マダム」です。要するに、ある年齢以上の女性には「マダム」、それ以下の娘さんには「マドモワゼル」を使えばOKということです。「ある年齢」は、ご自分でお考え遊ばせ(笑)。
間違えてはいけないのは。子供同士や学生(年齢的には大人の大学生も含む)の間では、「ムッシュ」、「マドモワゼル(マダム)」は使わないということです。あちらでは、先輩・後輩ということにあまりこだわらず名前を呼び捨てにするので、ある程度知っている間柄では、この敬称は使わないのです。会社内での上司・部下の関係も同様に、名前を呼び捨てにするのが普通ですが、ただこれにも限度はあります。ヨーロッパの場合、アメリカほどフランクな社会ではないので、それほど親しくない目上の人に向かっては、やはり「ムッシュ」、「マダム」を使うのが礼儀なのです。その代わり、親しい間柄(お互いを「tu」で呼び合うような仲のこと)になったら、もちろん敬称は必要ありません。その程度のTPOは身につけておきたいものです。
あと、旅行先でも、カフェに入った場合などに、この言葉を使います。フランスでは、カフェの給士のことを「garcon(ギャルソン)」と呼びますが(英語でいう「ボーイ」のことです)、ギャルソンとは言ってもけっこうな歳の方もいますし、おもむろに手を挙げて「ギャルソン!」では、あまりにも失礼です。こういう場合には、「Pardon monsieur!(パルドン・ムッシュ!)」あるいは「Pardon madame!(パルドン・マダム!)」と呼ぶのが普通です。あちらへ行ってひんしゅくを買わないように注意しましょう。
なお余談ですが、マダムを「madame」と綴るのはともかくとして、どうして「ムッシュ」を「monsieur」と綴るのか、疑問に思う人もいるでしょう(僕は思いました。普通に読めば「モンシュール」ですよね)。そもそも、これらの敬称は封建時代のフランスで、家臣が主人に対し「私のご主人様」という意味で使う「mon seigneur(モン・セニュール)」、「ma dame(マ・ダム)」から来ています。「マダム」の方はそのまま形が残ったのですが、「モンセニュール」は長くて言いづらかったためか、いつの間にか「ムッシュ」となってしまいました。ただし、綴り的には、昔の名残で「monsieur」となっているようです。なお、今「mon seigneur」と言えば、普通は「神様(キリスト)」を指します。同様に「ma dame」と言えば、普通は「マリア様」のことです。
なお、言葉の成立にこうした経緯があるため、「monsieur」の複数形は「messieurs(メッシュ)」(=mes sieurs)、「madame」の複数形は「mesdames(メダム)」(=mes dames)、「mademoiselle」の複数形は「mesdemoiselles(メドモワゼル)」(=mes demoiselles)と、やや複雑な変化をする点にも注意が必要かもしれません。
関連語句 garcon(ギャルソン):ボーイ、少年、 Pardon(パルドン):すみません
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