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2007年5月20日 (日)

pour ~(プル~)

~ ・・・のための、・・・に向けて ~

 フランス語の前置詞は,ほとんどが「a`」と「de」でまかなえるという話をしました。物理的な移動を例に見るといちばんわかりやすいのですが,「a`」は,ある地点をピンポイントで指すような移動ということで「~に,~で」を意味する前置詞,逆に「de」は,ある地点から発するということで,「~から」を意味します。これがすべてのもとになって,物理的な移動を「目的」と捉えても,「a`」は,ある明確な目的に向かった「~へ,~に」となり,「de」は,そこから生じた原因,つまり「~によって」となるわけです。言葉にすると難しいですが,絵に描くと,下のようになります。

 これに対して「pour」は,目的指向という点では「a`」の動きに近いものの,そこから発するという「de」的な意味合いも込められている前置詞です。イメージとしては,「ある地点から出発して,そこから遠く離れた地点に向かう」という意味と思えばよいでしょう。英語で言えば「for」に当たる言葉と考えてください(この場合「a`」は「to」に当たります)。いちばんわかりやすいのは,電車や飛行機の目的地です。駅や空港の表示板で「pour PARIS」とか「pour LONDON」とか出ていれば,それは「~行き」という意味になります。駅や空港から出発して,遠くの目的地に向かうというニュアンスですね。外国や遠くの地方からパリを目指す場合は「pour Paris」ですし,パリの市中にいて,バスティーユ広場を目指すなら,「a` la bastille」となります。これだと,比較的近い場所,直接行ける場所という感じになります。

 また,「pour」は,贈り物や手助けなどをする場合の目的,つまり「~のために」という意味も持ち合わせています。「pour Elise」なら「エリーゼ(ズ)のために」となります。これも,自分から発した気持ちが,相手に向かって飛んでいくといったイメージで捉えれば理解が早いのではないでしょうか。何かを人にあげる場合はふつう「a` toi(ア・トワ)」となりますが,その人のために奉仕するといったイメージで気持ちを込めて贈る場合は「pour toi(プル・トワ)」となるのです。これも英語でいうところの「to」と「for」の違いとまったく同じですね。このあたりのニュアンスを理解してみてください。このほか,「~向け」という意味合いで,「pour homme(プル・オンム:男性向け)」というようにも使います。オーデコロンなどでよく見る表記です。

 発音的には,「ou」を口をすぼめて突き出し「ウ」と発音することと,最後の「r」をきれいに巻くことを意識しましょう。やや「pu」を奥の方から強く出して「ポゥル」というように発音すると,フランス人らしく聞こえるのでは?と思います。

関連語句  toi(トワ):君に, homme(オンム):男性

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