Qu'est-ce que c'est?(ケスクセ?)
~ これは何ですか? ~
フランス語で「ケスクセ?」といえば,「これは何ですか?」の意味。英語で言う「What is it?」に当たります。しかし,これだけのことをいうのに,どうして「Qu'est-ce que c'est?」なんていう長い文になっているのか不思議に思う人もいるかもしれませんね。その仕組みを見てみましょう。
見てわかるとおり,「Qu'est-ce que c'est?」は疑問文です。疑問文ということは,それに対する平叙文があるわけです。この平叙文は,「これは~です。」を表す「C'est ~.」です。これがひっくり返って,「何?」を意味する疑問詞の「Que(ク)」が頭につけば,「Que c'est?(クセ?)」となるはずです。では,真ん中の「est-ce que(エスク)」はどうしてくっついているのでしょう。
実は,このあたりがフランス語の古語風なまどろっこしいところで,実に持って回った言い方なのです。ここで登場する「ce que ~(スク)」という構文は,英語で言う「what (that)~」という接続代名詞としての構文に当たるもので,「~のもの」という意味。たとえば「ce que j'entends(スク・ジャンタン)」といえば,「私が聴いているもの」となり,「ce que tu veut(スク・テュ・ヴ)」といえば「君がほしいもの」ということになります。英語で言えば,「what I listen」,「what you want」ということなのです。
これを疑問文にすると,「Que j'entends?(私が何を聴いているの?)」,「Que tu veut?(君は何がほしいの?)」でもいいように思えますが,フランス語では,前の「スク」までいっしょにして,「Qu'est ce que j'entends?(ケスク・ジャンタン?:私が聴いているものは何?)」,「Qu'est ce que tu veut?(ケスク・テュ・ヴ?:君がほしいものは何?)」という,ちょっとまどろっこしい言い方をするのです(文頭の「Qu'est(ケ)」は,「Que」+「est(e^treの3人称)」が縮まったものです)。これを英語に直すと「What is what I listen?」,「What is what you want?」となり,やや不自然な感じですが,フランス語ではこの言い方をかたくなに守っているのです。この言い方を「c'est(~がある)」で言うと,「Qu'est-ce que c'est?」となり,「そこにあるところのものは何?」とでも訳すのが妥当な感じですが,これがフランス語のごく一般的な疑問文なのです。フランス語というのは,ある意味,とても古めかしく,堅苦しい言葉でもあるのです。
このように,「Qu'est-ce que c'est?」の前につく「Qu'est-ce que(ケスク)」という言い方は,主語+動詞の平叙文の前につけることで,そのまま目的語を取る疑問文を構成できます。たとえば,「君が~を食べている」は「Tu mange ~.(テュ・マンジュ~)」ですが,これに「Qu'est-ce que」をつけると,「Qu'est-ce que tu mange ?(ケスク・テュ・マンジュ?)」となり,「君は何を食べているの?」と疑問文になります。分をひっくり返したりする必要もありません。ですから,何か質問したい場合には,頭に「Qu'est-ce que」をつけると覚えておけば,けっこう便利に使うことができます。綴りはちょっと長ったらしいのですが,発音上は3音の「ケスク」のみですから,丸ごと覚えてしまいましょう。
関連語句 Que~?:(ク)何?, ce:(ス)~のこと, que:(ク)接続代名詞(=that), entendre(アンタンドゥル):聴く, vouloir(ヴーロワール):ほしい, manger:(マンジェ):食べる
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